PROJECT STORY

#01

新人営業マンがお客様の問題解決を 目指し諦めずに挑戦した物語

INTRODUCTION

幅広い分野で使用される機器等を製造する日系大手企業のA社は、新製品である特殊フィルムの量産化にあたり壁にぶつかっていた。ロキグループ入社1年目でA社の営業担当となったI.Sは、ロキグループのフィルターなら必ずやその課題解決に尽力できると確信。チーム一丸となって試行錯誤を繰り返した提案はやがて実を結び、お客様と自社両方の業績に大きく貢献する成功事案となった。

積極的なアプローチがお客様に届き、大きなプロジェクトが動き出す。

入社後の研修やOJTの期間を終え、ようやく営業としての独り立ちに向けて担当顧客への営業を開始したのは入社から半年が過ぎた頃でした。
自身が担当した取引き先の1社であるA社は、当時新製品である特殊フィルムの製造に全社を挙げて注力されていました。当初A社では他社製フィルターを採用していたこともあり、製造現場の内情についてはあまり私たちには教えていただくことができませんでした。そのなかで毎週のようにA社を訪問して、様々な部署の方とコミュニケーションを取り、当社フィルターの提案をするなどして関係を築いていきました。そうしたなかで、徐々にA社の製造現場が抱える課題についてのお話しを聞かせていただけるようになりました。
そこで分かったのが、新製品の量産化にあたって、ろ過工程の中でも特に除去が難しいとされるゲル状の異物がネックになっているということでした。スマホやディスプレイの画面に使われる特殊フィルムにとって、異物が残ってしまうことは致命的な問題です。ろ過がうまくいかずにムラが出てしまった部分は商品として使えないため、生産量が少なくなってしまうのです。
その状況を知り、私はロキグループの製品と技術力をもって必ずA社の課題を解決したいと強く思いました。入社1年目の自分にとってはかなり大きな案件でしたが、周囲にはいつでも相談に乗ってくれる頼れる先輩がたくさんいて、更に当社には過去の事例やデータも豊富にある。そのような心強い環境で、落ち着いて提案を進めていくことができました。

いくつもの壁を乗り越えた先に待っていた、忘れられない成功体験。

A社が量産化に向け取り組んでいた特殊フィルムの生産ラインでは、それまでゲル状異物の除去の工程において他社製のフィルターが使用されていましたが、お客様がろ過したいゲル状の異物との相性がよくないのは一目瞭然でした。また流体の粘度が高く、その流体自体が流れにくいことも課題となっていました。
当社は長きにわたりフィルム業界にも携わっており、フィルム塗工液向けのフィルターも幅広くラインナップしています。その中から今回の高粘度流体に向いた自社製フィルターをご提案することとなりました。
ところがここで問題が発生しました。
フィルターにはハウジングと呼ばれる鉄製の格納容器が必要となります。それまでA社の製造ラインで使われていたハウジングには、当社製のフィルターが格納できなかったのです。新たにハウジングを導入するとなれば、かなり大きな予算がかかるため、お客様も簡単には切り替えに踏み切ることができません。
そこで実際の生産設計よりも、かなりスケールを縮小したろ過設備を作り、当社から提供したハウジングとフィルターをお試しいただくことになりました。次に規模を少し大きく設計して処理量を増やし、再び試験を行いました。この試験については幸いどちらもうまくいったことで、この2段階の試験結果を根拠として、ついに当社製品の導入・稼働に漕ぎつけることができました。この時はとてもホッとしました。
こうして、ようやくA社で量産化を実現できた特殊フィルムですが、新製品だったこともあり最初から飛ぶように売れたわけではありませんでした。しかし、徐々に需要が伸び、それにつれて生産量も増えてゆき、やがてA社の主力製品になっていきました。
そしてこの年、A社の年間売上見込の上方修正が新聞へ掲載されました。特殊フィルムの売上の伸びがその理由でした。また、当社にとってもA社における年間売上は4倍以上に!この嬉しいニュースを後日あらためてお客様からお聞きし、上司からも祝福されるなど、この仕事を通じて嬉しさと達成感を得られたとても貴重な経験となりました。

ロキグループが誇る技術力と提案力を携え、ソリューション営業のエキスパートに。

このプロジェクトを通して、私はロキグループが目指す「技術営業」の起承転結を経験することができたと感じています。
先輩から引き継いだ案件を確実にクロージングすることも大切ですが、自ら能動的に顧客のニーズや課題を見つけ、試行錯誤した提案が採用され、しかもその仕事がポジティブなかたちで新聞に掲載されるということは、なかなか経験できることではありません。
これからの仕事においても、この理想的な流れを自分の中に軸として置き、今後もお客様のNO.1パートナーとなるべく提案型営業に取り組んでいきたいと思います。そのためには更に技術的な知識を深めることが非常に重要だと感じています。フィルターの知識だけではなく、フィルターが使用される医療品や飲料などの製造工程にまで精通した人材へと成長することで、お客様に満足していただける営業を続けていきたいです。